
今日は金属アレルギーについてのお話です。
最近、2名の金属アレルギーを疑わせる患者さんが来院されました。
1人は子供の頃に入れたアマルガムが原因だと思われる方、もう1人はほぼ全ての歯に
何らかの修復がなされていて、全身の皮膚に明らかにアレルギーっぽい赤く乾燥した症状が
見られる方です。
アマルガム修復がなされている方は、アレルギーを抑える薬を毎日服用されているとのことでした。
お話し合いの末、アマルガムは除去する事にし経過を見て行きましょうとなりましたが、アマルガムの
成分である水銀が影響を及ぼしたのか、スズや銅が原因であるかは検査をしなかった為、分かりま
せん。
大体は水銀が悪影響を及ぼすことが多いのですが、もしかしたら銅イオンが粘膜から体内に吸収
されたり、飲食とともに取り込まれている可能性もゼロではないわけです。
そうすると、銅が含有する食品すべてを見直す必要があり、その中から含有比率の高い食材を
排除していかなければならなくなり、とてつもなく毎日が大変となります。
なぜ大変かと申しますと、もう一人の方はパッチテストを行い、亜鉛とクロムにアレルギー反応を
示したのですが、亜鉛については疑いではなく明らかな症状が出ました。
では、亜鉛を歯科で多量に使っているか?
セメントには使われますが、その他歯科材料の多くに使われている事はありません。
そうしますと食生活を見直し、亜鉛を出来るだけ排除しなくてはならないわけです。
しかし、亜鉛は体にとって絶対的に必要な栄養素の1つでありますから、全く摂取しなくなると
別の病気や体調の不調に繋がって行きます。
好きではあるが、牛肉や牡蠣ナッツ類等高含有の食材は避ける努力が必要です。
焼肉食べたい、カキフライ食べたいと言う誘惑に負けない精神力や意思がないと続きませんね。
とてつもなく大変です。
人生の快楽の半分を失うぐらいつらいと思います。
でも、アレルギー症状が強大ならそれも我慢しなくてはなりませんね。
金属アレルギーの患者さんをたまたま2名拝見し、色々な事を調べて行くうちに、歯科で使用して
いる金属を除去するだけで反応が好転するのは、運が良い方で、多くの方は食生活自体を
見直さないといけないと言う事がわかって来ました。
私は、歯科で改善できる事なら何でもやって差し上げたいと思っています。
まずは、アマルガムは排除した方が良いのかも知れないな~と改めて感じましたし、
食事をする為に必要な歯を専門にしている以上、食に関してもう少し知識を増やす必要があるし、
患者さんを啓蒙し、広める必要性も痛感した次第です。
おしまい