そら歯科医院ブログBLOG

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2014.04.18更新

2014.4.18 江戸川区瑞江 そら歯科医院 浜松です。


今日は、昨日までとは違ってあいにくの天気ですね~。
しかも、ちょっと肌寒いように感じます。
風邪をひかないように気をつけましょう!!



さて、今日の話題はバネなし義歯、いわゆるスマイルデンチャ―について症例を交えながら
お話をいたします。

スマイルデンチャ―とは部分入れ歯の1つで、バネを全く有さないもしくは目立つ位置には使用しない
入れ歯の事を言います。

材料は、スーパーポリアミドナイロン樹脂やポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを
使っていて、歯科用に加工しています。

(利点)
審美的である
金属アレルギーのある方にも使用が可能

(欠点)
耐久性に乏しい
機能的に十分でない
顎堤が傷つきやすい

と言われていますし、まさにその通りでございます。


では、スマイルデンチャ―はどのような部分入れ歯症例にも適応可能か?と聞かれると
NOと言うのが事実でしょう。
(もし、そのような説明がなされないようなら疑問に思った方が良いでしょう)


耐久性がないのは、金属床にすれば解決いたします。
機能性については、すべての義歯について言える事ですが自分の歯のようには噛めません。
顎堤が傷つきやすいのは、設計をしっかり行えばある程度クリア―出来ます。


ここで1つ言える事は、樹脂だけで咀嚼機能を十分補う事が症例によっては難しいだろうと
言う事です。

多数歯欠損やすれ違い咬合、緊密咬合(咬合力が強い)の方には絶対的に不向きであります。

したがって、スマイルデンチャ―を行うなら、たわまないように金属床を使用し、レストをしっかり
設け、出来れば把持部分にも金属を持ってきた方が安全でしょう。

ただし、2本程度の欠損なら金属床にする必要はないし、前歯4本欠損でもそれは同じであろうと
思います。ただし、金属レストは義歯床沈下防止のため必ずつけないといけません。


部分入れ歯の設計の基本中の基本です、おろそかにはできません。

義歯があたって傷む理由にはいくつかあります。

まずは、沈下による痛み
前後左右の揺れによる痛み
粘膜の厚みの違いによる痛み(骨の出っ張り)
咬合力の分散が不適切な場合の、咬合力集中による痛み
適合不良による痛み
床の大きさが不適切な場合の痛み
等です。

これらを起こさないように診査して、義歯は設計していく必要があるわけです。


私は、大学に残っているときから義歯に関しては、相当数をこなしてきた自負があります。
そして、部分義歯こそ口腔再構築上の最も重要であると考えてきました。

最近はその立場をインプラントが塗り替えようとしていますが、まだまだ部分入れ歯の役割は大きい
と思っています。

部分入れ歯は、様々な欠損状況に対処しなければならないので、バリエーションが非常に
多彩です。
しかも、設計自由度も大きく術者によってやり方が様々なのが特徴です。

部分入れ歯を入れる目的は、咀嚼機能を高めて、口腔環境を維持し悪化させない事にあります。
したがって、出来るだけ強固で壊れにくく、残存歯を痛めない工夫をしなくてはなりません。

それらを踏まえたうえで、1症例お見せいたします。


4本をメタルボンドにて再修復し、義歯を見越した歯冠形態の設計がなされています。
また、ピックアップ印象をして、レジン歯根にてメタルボンドを模型上に正確にトランスファーしてあります。


正面観と咬合面観です。
見えない部分には、強度と把持機能を、沈下防止にはレストを維持にはRPIを審美性を
損なわない位置に配置しました。


左右側方面観です。
患者さんが、審美性を気にされてバネを用いないで欲しいと希望されましたが、右側はRPIにさせて
頂きました。

多くの必要な、上記具備条件は備えていますが、歯の周りの清掃性は不十分になり易い為、
徹底的なプラークコントロールが必須となります。
さもなくば、口腔環境の維持は図れなくなるでしょう!!


かなりの配慮と患者さんの希望がマッチした入れ歯ではありますが、出来るならば左側臼歯部に
1本インプラントを打ち込み、沈下防止を盤石に出来れば言う事なしでした・・・。


以上如何でしたか?
この症例で、金属床にせず、左右ともバネなしの、オール樹脂デンチャ―にしていたら・・・
悲惨な事になっていた事間違いなしです。

詳しくは、ご相談下さいね。
皆さんに合った入れ歯を一緒に作り上げましょう。
お待ち申しあげています。


おしまい


投稿者: そら歯科医院

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