2010.11.6土曜日
入れ歯の設計について
一例を用いお話します。
(写真をクリックして頂くと拡大します)
歯の周囲に様々な意図が込められて
います。良く見てください。
この患者さんは、前歯と左側臼歯が欠損しています。
対合の下顎には、左にも歯が数本残っています。
左側の歯で噛んだ場合、入れ歯が左に傾き沈み込みます。
この沈み込みに抵抗するため、右側の残存歯に工夫を凝らさなくては
いけませんでした。
しかも頑丈でたわまず、残存歯に負荷がかかり過ぎない事も重要と
なります。
そして、審美性にも気を配るのなら、自ずと設計は限られてきます。
バネ(クラスプ)を目立たない形にするか、クラスプを使用しない義歯に
するかでも違って来るのです。
今回は、クラスプはあるけど目立たない義歯で行くことにしました。
今はやりのクラスプレス(スマイルデンチャー)は適応ではありません。
スマイルデンチャーは補綴学会での認可もされていませんし、症例設計
の適応症は限られてきますので、ご注意ください。
(詳しくは、お問い合わせください)
異物感が少ないように、口蓋は全部覆わないタイプにしました。
自分の歯や、インプラントのようには噛めませんが、満足できる仕上がりで
あり、患者さんもハッピー、術者の私もハッピーとなりました。
後は、メインテナンスをすることで長持ちさせられれば、言うこと無しですね!
入れて終わりではなく、入れてからが始まりですから。
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