そら歯科医院ブログBLOG

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2010.10.26更新

2010・10.26火曜日
今日は朝から非常に落ち込んでいます。
数ヶ月前、下顎前歯に硬質レジン前装冠をセットした患者さんが
前歯の審美性を気にされて(レジンが対合歯とこすれて、一部金属露出)
何とかならないかと来院されました。

すいません、どうにもなりません。というのが私の回答でした。

なぜだ、まだ数カ月だぞ。
患者さんが憤る気持は十分理解できます。
しかし、補修したところで数日で元の状態になってしまう。そういう見解に
至りました。

理由は、2つ
1つ目は、左右とも奥歯が無い。特に左は4歯欠損、右は2歯欠損が原因
になっています。

14本あって咀嚼するところを、8本で負担しているのが現状です。

家を支える柱が、シロアリに食われて実質的に何の役にもたっていない。
手抜き工事で、もともと様々な負荷に耐え得る状態にない。
そんな状況でも、風速20メートルの風に耐え、地震に耐え、大家族の
家具や人の重みに耐えていれば、早期に問題が出てくるのと似ています。

2つ目は、噛み合わせ力と、歯ぎしりが原因です。

一般的に、睡眠中無意識に上下の歯と歯が噛みしめる力は、食事でかかる
力よりはるかに強いと言われています。
食事で奥歯にかかる力が40~60キログラムですが、歯ぎしりは80キログラム
もの力がかかっています。(個人差はあります)  ほぼ毎日!

これらが前歯の硬質レジンを摩耗させたのです。
したがって、今のままでは防ぎようがないというのが、私の結論です。

材質の限界がある為、別の種類のクラウンにする必要があるのと
設計を見直すしか方法が無いと伝えました。
奥歯にしっかりとした、柱の代わりを作らない限りは同じです。
柱とは、人工歯根であり、いわゆるインプラントのことです。しかも、
噛み合わせを挙上(今より高くする)して、前歯の修復物の厚みを
確保しなければ意味がありません。

そこまでやらないと、今回の摩耗を防ぐことが出来ないのです。
原因を解決するには!そして、残存歯を守る為には!

しかし、理解していただけませんでした。

なぜなら、治療費用がかかる為です。大変だからです。

なんとかしてあげたいが、出来ない。
私に原因もあるのでしょう。
もっと、人間的に成長しなければ・・・・
そして説得力を磨かなければいけません。

投稿者: そら歯科医院

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